お久しぶりです。梅雨も明けて、夏の日差しになってきましたね。夜寝るときにクーラーをつけっぱなしにする時期がやってきました。私事ですが、この度LPガスの会社に再就職しました。当然コーヒー関連の仕事ではないですが、コーヒーからは距離を置いて、一消費者としてコーヒーを楽しんでいけたらなと思っています。
さて、表題のサイフォンコーヒーですが、あなたはどんなイメージを持っているでしょうか?
「昔ながらの喫茶店に置いてあるやつ」
「理科の実験で使うようなやつ」
「どうやって淹れてるのか分からないやつ」
「へらでくるくる回すやつ」
「光でお湯を沸かしてるやつ」
そんなよくわからないやつであるサイフォンを今日は簡単に説明できたらと思います。
サイフォンの説明
サイフォンは、ロート部とフラスコ部に分かれていて、フラスコの底を加熱することで、蒸気圧によってフラスコ内の水がロート部に上がり、そこでコーヒーの粉と混ぜることによってコーヒーを抽出します。抽出が終われば火から離して、フラスコの温度が下がることによって吸う力が生まれ、ロートの水がフラスコに入っていきます。
抽出の方法としては、フレンチプレスと同じ方法でして、コーヒーの粉を水と混ぜて一定時間放置する方法ですね。ただし、ここでサイフォンが決定的に違うのは、「熱源がある」ということです。
フレンチプレスにしろ、ドリップにしろ抽出する過程でお湯の温度は下がっていきます。一方、サイフォンは抽出中は常に加熱されています。水は100℃までしか温度は上がりませんが、コーヒーの粉と混ざることで100℃以上になるようになります。サイフォニスト(サイフォンを使ってコーヒーを淹れる方)はロート内の温度を常にイメージしながら、美味しいコーヒーになるように抽出しています。
あなたはサイフォン好きですか
ここまで読んだあなたは、サイフォンに対してどんな印象をもちましたか?
「温度をイメージ?そんなことできるの?」って思いませんでしたか?
これはあくまで持論なのですが、サイフォンほど抽出が難しいコーヒー器具はないと私は考えます。
コーヒーの味を安定させる際の考え方として、不確定要素を減らすという考え方があります。
例えば、ドリップコーヒーの味を調整する際に、前回は味が薄かったから、
「粉の量を増やして」
「お湯の温度も高くして」
「ゆっくり抽出しよう」
とすると、仮に美味しいコーヒーができたとしても、何を変えたから美味しくなったのかわかりませんよね。
一方で、前回は味が薄かったから、「粉の量だけ増やしてみよう」とすると、美味しいコーヒーができた際に、「この粉の量が私には合っているんだ」と分かります。
この考え方からいくと、サイフォン特有の不確定要素はこれだけあります。
「アルコールランプの火の大きさ」
「ロートを差し込む際のフラスコ内の湯の温度」
「攪拌の仕方・回数」
この要素にプラスして、他の抽出方法にあるような、コーヒーの粉の量や挽き目の細かさなどがあります。
結論
サイフォンコーヒーは、見た目が良く、特別感がある抽出器具ですが、「慣れが必要」です。
サイフォンで美味しいコーヒーを飲むためにはまず「火力の大きさ調整」と「湯の温度の見極め」と「安定した攪拌」を手に入れる必要があります。
これを聴いて楽しそうと思ったあなたは、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
付き合っていくのは大変な器具ですが、出来上がりの温度が高かったり、クリアな味わいがあったりとサイフォンならではの美味しいコーヒーがあるのもまた真実だと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。